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『お静かに、父が昼寝しております ユダヤの民話』

ブックハウス神保町(児童書専門店・東京)
スタッフHさんからの 2月2日のおススメは…

お静かに、父が昼寝しております
編集・訳/母袋夏生
絵/出久根 育
岩波書店


民話というのは、人類の英知が集められたようで読んでいて楽しい。 このユダヤの民話集は38の物語が収められていて、初めて目にするようなお話は、「なるほど、これがユダヤっぽいというのかな」などと思うし、反対に、どこかで耳にしたことがあるようなものもあり、人類の普遍的な営みを感じたりします。
登場する人物や動物にも地域性が感じられ、そんな違いも面白いのですが、加えてこの民話集には、 「ユーモア」が光っているように思い、とても面白く読みました。

ローマ帝国に滅ぼされて以来2千年、ユダヤ人は信仰と伝統を守りながら世界各地に根をおろしてきて、そこには様々な苦労があり、土地の人たちとうまくやっていくのに、何よりもユーモアが不可欠だったと言われます。
ユーモアは、不思議な魔法です。誰も傷つけることなく、場を和ませてしまう。とてつもなく、頭が良くないとできないことかもしれません。
民話には、作られる理由がきっとあり、伝承され洗練されるにも、理由がある。ユダヤ人の民話に、もし歴史的な背景が反映されているとしたら、もっとその深いところを知りたいなと、そんな風に考えながら、読みました。

ヘブライ語文学の翻訳家の母袋夏生さんの言葉がすっきりと美しく、シンプルに呼吸をするように心にしみました。

出久根 育さんの装画・挿絵が、良く知らぬはるか遠い時代・国を感じられる、空気感まで表現されているような素晴らしさです。挿絵って大切だったんだな……と、改めて思い出させてくれるような。

ブックハウス神保町スタッフH
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