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自作を語る 第14回 原正和さん&原知子さん

4月4日、児童文学ぞろ目の日!
自作を語る 第14回! (春休みに、おススメ!)

原正和さん(お父さん童話作家)に、

父と子のお話づくりをご紹介いただきます!
 

  

  

『お父さんとお話のなかへ』
(作:原正和/絵:原正和 原知子/本の泉社) 

 

『一日だけうさぎ』

(作 原知子、絵 こばようこ、くもん出版)

 

子どものころ、どんなお話を聞きましたか。
 これまでに聞いたお話は、知らないうちに大人の「私」を形作っています。なかでも、親から聞いた話には大きな影響を受けています。
 私は娘が小さなころから、お話をつくって聞かせてきました。それらのお話をもとにして書いたのが、「お父さんとお話のなかへ」(作・絵 原正和、絵 原知子、本の泉社)です。
 忙しいお父さんは、なかなか子どもといっしょにいることができません。しかし、一日のわずかな時間でも子どもにお話をするだけで、その日、長い時間をともに過ごしたような気持ちになることができます。
 子どもにお話をするっていったって、何を話せばいいんだろうという方も多いと思います。そんな時は、例えば子どもの名前はどうやって決まったのか、子どもが苦手なことはなにか、最近どんなことでおこられたのかなど、身近なことを題材にするといいでしょう。そうしたお話が「お父さんとお話のなかへ」にはつまっています。ぜひ、お話づくりの参考にしてみてください。
 

「世の中にはたくさんいいお話があるのだから、親が下手な話なんかするより、子どもに本を読んであげた方がいい。いや、子どもが自分で本を読むようになればもっといい」
 でも、本当にそうでしょうか。もちろん子どもが本を読むことは大切ですが、親が自作のお話を子どもにしてあげることはとっても素晴らしいことです。

 

 では、ここで、ちょっと娘にインタビューをしてみます。
 娘は10才。かなりの本好きですが、いまだに私の話を聞きたがります。

 

― ねえ、お父さんの話って、おもしろい?
 「あ、うん、おもしろいよ。」

 

― もう自分でさ、つばさ文庫とか、たくさん読めるでしょ。それでも、まだ、お父さんの話ききたい?
 「ききたい。」

 

― なんで?
 「そりゃあ、自分のためのお話はやっぱりかくべつだよ。」

 

― ほほう。じゃあ、宮沢賢治とか新美南吉とかと、お父さんの話どっちが好き?
 「お父さん。でも、ま、そういうのとは、別だよ。お父さんのは、お父さんのでいいと思うよ。」

 

― お父さんね、世界っていうのは大きな食器棚だと思うんだ。お話はお皿。食器棚にお店で売ってる立派なお皿が少しだけあるより、見た目はあんまりだけど一点物のお皿がたくさん並んでたほうが、いろんな料理を楽しく食べられると思うんだ。つまりね、、、、あれ、おいおい、聞いてるか。おーい。たとえが悪かったかなあ。

 

 

 ところで、やはり、しょっちゅうお話をつくるのはつかれます。そんな時は、「今日は、お父さんに何かお話して」と言います。
 はじめは、「そんなの無理だよ」と言っていた娘ですが、「じゃあ、いっしょにつくろうよ」と、二人でお話をつくっていくうちに、お話をつくることが楽しくなっていったようです。娘はどんどん自分でお話を進めていくようになり、やがて、一人でお話をつくるようになりました。
 私は、忙しくて娘と会えない時に、娘と「うそ日記」という交換日記をしています。これは、うその話をつくって交換するものです。どっちがおもしろいうそ話をつくれるか競っています。
 こんなふうに、娘はたくさんお話をつくっています。そのなかの一つ、『一日だけうさぎ』(作 原知子、絵 こばようこ、くもん出版)というお話は、子どものための創作コンクールで入選し、出版されました。

 親といっても、子どもの心のなかのすべてを見渡せるわけではありません。成長するにしたがい、わからないところがどんどん増えていきます。でも、娘のつくったお話を聞き、その世界を想像してみることで、娘の心が今どんな場所にいるのかわかります。
 親子で想像力を競い合い、お話をつくることはとても楽しいです。親子でお話づくり、おすすめします。
 (原正和 &特別ゲスト 原知子)

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*原知子さんと『一日だけうさぎ』の記事です。(2017年4月4日東京新聞)

あわせて、ぜひ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201704/CK2017040402000156.html

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