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【自作を語る 第16回 藤真知子さん(児童文学者)】

自作を語る 第16回 藤真知子さん(児童文学者)

『まじょ子とプリンセスのキッチン』
作・藤 真知子 / 絵・ゆーち みえこ / ポプラ社

 

藤真知子 さんご自身による、ご著書のご紹介です!!

 

*ミニインタヴュー掲載しました!

 

   1985年に始まった「まじょ子」シリーズも33年目。「まじょ子とプリンセスのキッチン」は59冊めです。
「まじょ子」はわたしの幼年時代の理想の女の子です。わたしは小さい頃体が弱くて幼稚園や学校を休んでばかりいました。その頃好きだったものを詰め込んだのがまじょ子です。
祖父は戦前に船でヨーロッパに行ってたので、いつも山高帽をかぶっていました。父は私が小学一、二年生のころに一人でイギリスとアメリカに行っていました。半世紀以上前のことでしたから、父から届く絵葉書やカードは当時の日本にはないようなバラやレースやリボンでキラキラしててディズニーのプリンセスの世界のようでした。
 祖母はお花が好きで、うちの庭は花のさく木にかこまれて、花壇はどの季節も花束みたいに花が咲いていました。
 そして、わたしはといえば、何もしないで寝てるだけが得意な子でした。父の妹にあたる叔母は音大のピアノ科の学生の時に亡くなっていましたから、わたしは幼稚園に行く前からピアノを習い始めたのに、「一生懸命やったら死んじゃうから」と言われて、さぼりにさぼっていましたし、「本を読んだら病気がわるくなるから」と言われて、本も読んでもらうだけでした。
 わたし自身がいつまで生きられるかと思っていましたし、おばあちゃん子だったのに、祖母も亡くなって、わたしは天国のことばかり考えていたのです。
だから、その後は元気になって楽しい暮らしを送っても幼年時代だけは青空の下で元気にかけまわりたかったと夢見ていました。それで、わたしは、その頃大好きだったものを詰め込んだ世界にまじょ子と一緒にいろんな冒険をするお話を書いたのです。
 すると、わたしがうらやましかった元気な幼年時代を送ってる子供たちまでまじょ子と過ごすのを憧れてくれました。
わたしが自分の幼年時代もすごくよかったと思えるようになったのは、まじょ子のおかげです。
まじょ子、どうもありがとう。
 そして、長い年月、まじょ子にたくさんの冒険をさせてくれた読者のみなさん、本当にどうもありがとうございます。
今回もわたしの好きなプリンセスやお料理やキラキラでいっぱいです。
 ぜひ 楽しんで読んでくださいね!  

(藤 真知子)
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ここからは、藤真知子さんに、ミニインタヴューです!

 

(1)59冊という長いシリーズですが、中で、「ターニングポイントになった」と思われる号はありますか。それは、どういうことからでしょうか?

 

―――ターニングポイントとは少しちがいますが、夫の仕事の都合でアメリカに住んでいた時に書いた本もありますし、イギリスに住んでいた時に書いた本もあります。わたしの子供時代の夢やエピソードを思い出して書いた本もありますし、息子の言動から書いた本もあります。どの巻だか、わかりますでしょうか?

 


(2)藤さんの子ども時代、「まじょ子」を書き始めた当初、そして現代と、社会や子どもをめぐる環境は変化していると思います(近著では、子どもも普通にスマホを使いますね)。そうした中で、「女の子」の好きなもの(本質的な部分)は変わってきていると思われますか? それに伴って、まじょ子の考え方や行動も変えてきているのでしょうか?


――― わたしは小さい頃、ディズニー映画やアメリカのテレビドラマで、プリンセスやティーンエージャーにあこがれてました。おしゃれして、デートして、すてきな王子さまと恋をするすてきなおねえさんになりたいなと思っていました。
大げさにいえば、古代から女の子は早く大人になってステキな恋に憧れるからこそ、人類が続いてきたのだと思います。
かわいいものが好きだから、赤ちゃんを可愛がれるし、キラキラが好きだから子供をハッピーにしたいと思うのでしょうね。
今は「社会での活躍」や「思いやり」が強調されるけれど、まじょ子には、あえてトキメキ大好きでいてもらっています。トキメくことこそ、女の子のハッピーの原点だと思うので。

 

(3)創作活動のほかに、森林(環境)保護活動も続けられていますが、森や里山の自然に特別な思いをお持ちですか?

 

――― 小さい頃の私は、木や花は何より身近で可愛かったり怖かったりしました。
大木には妖怪が見えたし、生きた木の枝や花を折ると、悲鳴が聞こえる気がしました。庭の木の実をとって花の妖精が嘆き悲しむと怒られて、そういう夢を見たからかもしれません。木の力を知ると、それは尊敬に変わりました。
今住んでる家は森に囲まれています。森は日によって色も音も香りも違います。
春は鶯が、夏はカブトムシがいっぱいいますが、それ以外にも無数の命がいます。
そして、なにより、木や森は何十年、何百年というサイクルで動いているので、森の中にいると、悠久の時を感じます。

私はみんなが森を好きになれば、長いスパンで物を見たり考えたりできる世の中になるような気がします。

 

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藤真知子さん! ありがとうございます!

 

藤真知子さんのオフィシャルサイト
http://www.machiko-fuji.jp/
も、ぜひ、ご覧下さい♪

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