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『しずくの首飾り』

森 ふき さん(子どもと本の間)からの、
6月6日、児童文学ぞろ目の日!

『しずくの首飾り』
ジョーン・エイキン作
ヤン・ピアンコフスキー絵

猪熊 葉子 訳 (岩波書店)

  自然が作った造形は、ずっと見ていても飽きることのない美しさがある。ケヤキの葉を日の光に透かした時の葉脈、カナブンの持つきらめく体、猫の背中の滑らかなカーブ。中でも雨上がりのしずくは格別だ。きらきら光る丸い粒は葉の上におすまし顔で座り、周りの景色を静かに映している。私は、どんな宝石よりも、しずくが欲しいと思っているのだが、ちょっとさわっただけでつぶれてしまう粒を手に入れることはできない。

 

   そんな私の願いをかなえたような話が、『しずくの首飾り』です。木にひっかかってしまった北風を助けたジョーンズさんに、北風は、あるお礼をしました。生まれたばかりのローラに〈しずくの首飾り〉を贈ったのです。それは、ほそい銀のくさりにきらきら光る雨つぶが3つついたものでした。さらに、誕生日ごとに雨つぶは1つ増えていき、4つついたらどしゃぶりでもぬれなくなり、5つになったら雷もいなずまもよけていくようになりました。雨つぶは全部で10。ところが、10個目のしずくを北風が届けに来る直前、ローラの首飾りは友達にとられてしまいます。実はこの首飾り、はずすと悪い運がやってくるから決してはずしてはいけない、と言われていたのです。

 

   この時期、雨つぶがぽつんと落ちてくると、ローラが鼻をちんとかんで雨を降らせているのかな、とつい、空を見上げてしまいます。
(森 ふき・子どもと本の間)

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