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『ガルマンの夏』

 ほんまちひろさん(絵本作家)からの、
7月7日、児童文学ぞろ目の日!

『ガルマンの夏』
スティアン・ホーレ 絵・文
小柳隆之 訳 (三元社)


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主人公のガルマンは、6歳。
夏が終わると、学校がはじまります。

 

ガルマンは、不安です。

 

「おばさんは、何が不安?」
「パパはなにか不安なことある?」

 

ガルマンが大人たちに尋ねると、それぞれが不安を語ります。

「冬が不安」というおばさんもいれば、忘れっぽくなって不安がなくなったおばさんも。ママは自分のことではなく「学校へいくとき、ガルマンが大通りを渡るのが不安だわ」
大人だって、それぞれ不安を抱えていて・・・。

さて、夏の終わりに、ガルマンの不安は、どうなるのでしょう。

 

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そう、言葉を交わしあっても、すぐには不安は消えません。それでも言葉を重ねていく・・・。
小さな声や言葉の積み重ねが人生や世の中を培っていくということを、子どもたちに(もちろん、大人にも)示していくという絵本がもつ役割について、改めて考えさせられました。この絵本は、まさに、そういう絵本。
そして同時に、絵も素晴らしく、ノルウェーの絵本作家 スティアン・ホーレのコラージュが、ユーモアありつつ、ちょびっと陰もあり。この感じ、好きです!
数々の児童文学賞受賞も納得です。

 

ちなみに、もしガルマンに「ねぇ、おばさんは何が不安?」と尋ねられたら、何とこたえるかと、考えたら、
「私が住んでる国の絵本の出版状況にちょっと不安・・・」というのが、頭に浮かんでしまいました。(あ、でも、素晴らしい日本の絵本は沢山あります。出版も盛んでいい感じです。もちろん。)
でも、どこにだって、誰にだって、考えれば不安はあるもの。
私は不安に向き合いつつ、日本のこの業界の隅っこで、慎ましく、歩み続けられたらと思います。小さなことしかできないですが。
時々は不安をちょっともらすのも、いいのかなぁ。

 

とはいえ、この『ガルマンの夏』が、日本でも翻訳出版されている現実は、私に元気をくれました。
ステキな絵本がちゃんと出版されている、何より嬉しいです!

 

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そして、「ぞろ目の日タイムス」を読んで下さっている皆さま、ありがとうございます。とても、励まされています。

それで、私からも、 励ましの気持ちを、送れたら、、、と思うのです。
「エイッ」
気持ちを送りました!
(あ、いらないって? え〜ん、そんなこと言わないで(笑))

 

七夕の夜、(・・・過ぎちゃいましたが)
子どもと本を、めぐる世界が、
より、よい感じであるよう、祈ります。

 

「ぞろ目」をご覧くださっている方は、読書活動に関わっている方、子育て中の方も、多いかもしれません。
子どもに本を手渡す、お一人おひとりに、心から、敬意を表したいです。

 

子どもたちの夏休みも もうすぐ!
皆さま、どうぞご自愛なさって、
どうぞ、よい夏休み(気分だけでも♪)を!

 

(ほんまちひろ・絵本作家)

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