こんにちは、「ぞろタイ」です!毎月ぞろ目の日を「児童文学ぞろ目の日!」として、児童書の作り手や届け手、絵本や児童文学を心から愛する人たちが、イチオシの児童書を紹介していきます。
このおじさんは わらいません
タマゴに、
タマゴの まごがいても
古来から、そして多くの児童書で、「おつきさま」は崇高な「さま」扱いをされてきたけれど、実は、エヘヘと笑っちゃうような「おじさん」だったら?!
尊ばれ、高いところにいるから、まあ、別に問題はないだろうと、これまで心配されていなかった「おつきさま」に、詩人が優しい目を向けて、「つき」は、やっと、孤独から解放されたかな、と思う。
と、同時にこの絵本は、私のなかの「おじさん」という言葉も、固定観念から解き放ってくれた気がする。(性差をめぐり社会では様々な問題が考えられているが、「おじさん」という言葉は、もしかしたら、そこからとり残されがちかも?)
「おじさん」の、解放だ〜。
絵本の中でなんども繰り返される「このおじさんは わらいません」という言葉。ああ、どうして笑わないんだろう。と思ううちに、読み手の私自身に「笑おう!」と、思わせてくれる。
楽しい絵もいっぱいで、最後「おじさん」が正体を明かすところの、笑い顔とか、たまらんです。
言葉遊びの絵本のようでもあるけれど、それだけではなくて実は、じわじわと深い絵本。大好きな絵本です。
(ほんまちひろ)