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『うそつきのつき』

ほんまちひろ さん(絵本作家)からの、
9月9日、児童文学ぞろ目の日!

『うそつきのつき』
内田麟太郎 作

荒井良二 絵 (文溪堂)

 

   このおじさんは わらいません
   タマゴに、
   タマゴの まごがいても

 

  古来から、そして多くの児童書で、「おつきさま」は崇高な「さま」扱いをされてきたけれど、実は、エヘヘと笑っちゃうような「おじさん」だったら?!

  尊ばれ、高いところにいるから、まあ、別に問題はないだろうと、これまで心配されていなかった「おつきさま」に、詩人が優しい目を向けて、「つき」は、やっと、孤独から解放されたかな、と思う。

と、同時にこの絵本は、私のなかの「おじさん」という言葉も、固定観念から解き放ってくれた気がする。(性差をめぐり社会では様々な問題が考えられているが、「おじさん」という言葉は、もしかしたら、そこからとり残されがちかも?)
「おじさん」の、解放だ〜。

 

  絵本の中でなんども繰り返される「このおじさんは わらいません」という言葉。ああ、どうして笑わないんだろう。と思ううちに、読み手の私自身に「笑おう!」と、思わせてくれる。

  楽しい絵もいっぱいで、最後「おじさん」が正体を明かすところの、笑い顔とか、たまらんです。
言葉遊びの絵本のようでもあるけれど、それだけではなくて実は、じわじわと深い絵本。大好きな絵本です。

(ほんまちひろ)

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