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『なにか、わたしにできることは?』

ほんまちひろさん(絵本作家)からの、
10月10日、児童文学ぞろ目の日!

『なにか、わたしにできることは?』
ホセ・カンパナーリ 文

ヘスース・シスネロス 絵
寺田真理子 訳(西村書店)
 

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毎日、朝食をとりながら、
おじさんは新聞を読む。
一字一句、たんねんに。

 

ちっとも心を動かされない記事もあれば、
思わずにっこりしてしまう記事もある。
全身がふるえあがるような記事も、たくさんある。

 

おじさんは不安でたまらない。

 

朝食をおえると、シャワーをあびる。
不安をかかえたまま。

 

せっけんで身体をあらっているうちに、
ひとつの言葉が、
頭の中をぐるぐるまわりだす。

 

なにか、わたしにできることは?
__________________(以上、本文引用)

 

並木通りのアパートの4階に住む「おじさん」の物語。
でも「あの言葉」が、おじさんの体の中をぐるぐるまわって、
口から飛び出すと、おじさんの世界は、さあ、どうなっていくでしょう!?

 

不安になること、あります。

でも、身近なところや、近くの人のためにでも、なにか自分にできることに、体や心を動かしていると、ふっと、あの不安が消えているときがある。
大切な「あの言葉」。

 

もしかしたら、この絵本を「おとなむけだよね」と、思う人もいるかもしれません。
ルビがふっていない漢字もあるし。
でも、そこを、「大人と一緒に読む絵本」だと、思ってもらえないかな? と、私は思います。

 

いっしょに読んだら、きっと、

 

「大人は(私は)こういうことを、大切に思っているんだよ」
「そう思っている人、きっと他にもいるよ」

 

ということを、子どもたちに、なんとなく感じてもらえるかも?

 

「なにか、わたしにできることは?」
その言葉が、口でいつもくつろいでいる人が、世の中にいるんだと、知ることができたら、
子どもたちが、やわらかな気持ちで社会に出ていけるための、
やさしさのひとつに、なるんじゃないかな、と、願うように思います。

 

じんわりとした色彩で、コラージュや、タイポグラフィがおしゃれな絵!
元気をもらえる絵本です。
もし、読んでみて、いいな、と思ったら、
ぜひ、お子さまや、お孫さまと。

 

(ほんまちひろ)

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