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『ワビシーネ農場のふしぎなガチョウ』

森ふきさん(子どもと本の間)からの
10月10日の児童文学ぞろ目の日!

『ワビシーネ農場のふしぎなガチョウ』
ディック・キング・スミス作

三原泉訳 いとうひろし絵 あすなろ書房

 

  物事がうまくいかなくてつらいときや嫌なことがあってふさいでいるとき、おいしいものを食べると気持ちが少し落ち着きます。簡単なものでもいいのです。温かな食事は、とげとげしい気持ちを体の内側から優しくなでて、平らかにしてくれます。とても悲しくて、一日中部屋の中で泣いていた時がありました。何も手につかず、ただ泣いている、それなのに、しばらくすると、おなかがぐーっとなるのです。泣いているのがばかみたいに思えてきました。おなかがすくくらいだから、なんとでもなるか。
  さて、ワビシーネ農場のスカンピンさんはいつも運が悪く、一家は貧乏暮らしです。そんなスカンピンさんの座右の銘は、お父さんがいつも言っていたこの言葉。
「朝ごはんに、うまいハムエッグを食べるとな、つらいことも、なんとかうけとめられるもんさ。ハムエッグが、腹んなかで、クッションになるからな」
  その通り!つらいときこそ、おいしいごはん。そうだ、ハムエッグクッション党と呼ぶことにしましょう。みなさんもハムエッグクッション党、おすすめです。

 

  お話はというと、スカンピンさんの飼っているガチョウのガックリが卵を産むのですが、そのうち1つだけが金色だったのです。かえったひなもやっぱり金色。なでた人は皆、心があたたかく幸せな気分になっていきます。金のガチョウはウレシーナと名付けられ、ワビシーネ農場に次々と幸運を運んできます。読者も思わず笑顔になってしまう、そんな物語です。
(森 ふき ・子どもと本の間)

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