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『みんな なかよく エビフライ』

ひなた あおい さん(幼稚園教諭)からの、
11月11日、児童文学ぞろ目の日!

『みんな なかよく エビフライ』
作・画 木村 研 (教育画劇)

 

  今回は幼稚園教諭らしく、紙芝居をご紹介。紙芝居を皆で囲む楽しさったらない。絵本にはない独特の共有感がある。私は紙芝居屋さんが町にやってくるような子ども時代を過ごしてはいないけれど、友だちと紙芝居を見ながら駄菓子を食べるなんて、本当に夢のようだ。最近はテレビすら「見られなくなった」と言われる世の中だけど、内容云々より、皆で1つのものを囲んでああだこうだと言いながら共有していく過程に人は面白さや満ち足りた感じを感じるんじゃないかなと思うのだ。テレビ局は、番組内容は当然として、皆でテレビを囲みたくなるような(リアルが良し。場合によってはバーチャルも可。)作戦を考えてみてはどうだろうか。

 

  さて、話がずれたが、この紙芝居。終わり方が何とも呆気ない。無駄のないストーリー運びに、潔いエンディングはある種“子どもっぽくない”作品だ。起承転結・因果応報の枠の中で児童文学作品を考えがちな私にとって、後味に違和感を残すというのは大きな挑戦であり、勇気であり、尊敬の対象である。

 

  これを子どもの前で読むと大抵、最後の1枚できょとんとした顔をする。しかし、「あーよかった!」と何も考えずに喜んでいるのとは違う、しっかり考えている顔をしている。深刻な議題を高尚に扱うことは簡単だが、深刻なそれを誰にでもわかる形で噛み砕くことはとても難しい。私もこんな楽しくて味わい深い作品を生み出せたらいいなと思う。

この紙芝居に出会って7年くらい経つが、つい先日作画があのカエルの絵本の木村研さんと知って、大いに驚いた。ずっと好きで読んでいた古い紙芝居を研さんがつくっていたことにはもちろん驚いたが、「画も?!」ということである。
それに気付いた時の私はコントか!と突っ込みたくなるくらいに紙芝居を二度見していたと思う。この二度見は多分、絵本より紙芝居の方が面白く読めると思う。紙芝居、好きである。
(ひなた・あおい)

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