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『はるの ごほうび』

ひなた あおい(元幼稚園教諭)さんからの、
5月5日、児童文学ぞろ目の日!

『はるの ごほうび』
作・内田麟太郎 絵・村上康成

 

 こいのぼりを「泳いでいる」と最初に表現したのは誰なのであろう。おそらくその人は大きな大きなこいのぼりを見たのだと思う。最近では、家の外に「屋根より高いこいのぼり」を飾るという光景も少なくなってきたが、大きなこいのぼりは、風を口いっぱいに吸い込んで、本当に大空を泳いでいるように見える。その悠々とした姿は“飛んでいる”とか、“浮かんでいる”とかではなく、意思を持って“泳いでいる”と表現したくなる様だ。

 そんなこいのぼりを地上から見た生き物たちは思ったのだろう。「気持ちよさそうに泳いでるな〜」「僕たちもぽっかり空に浮かんでみたいな〜」

 なんと春らしい一冊なのだろう。こいのぼりが気持ちよさそうに泳ぐ様、春のふんわりとした雲が、動物の形に見えるなあと思うあの瞬間、それから心地よい暖かな風…。

 この本の中には、春の空気がたっぷり、詰まっている。
(ひなた あおい)

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