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【自作を語る・ひらぎみつえ さん (絵本作家)]

7月のぞろ目、自作を語る!は、
絵本作家の ひらぎみつえさんの登場です!

  

ご自身によるご著書「自作を語る」

&ミニインタヴュー!

 

【自作を語る・ひらぎみつえ(絵本作家)】

娘がまだ赤ちゃんだったとき、私の顔を触ってよく遊んでいました。これはなんだろう?ここを押したらどうなるかな?…それはそれは真剣な表情で、何かの実験をしているように。時には薄い爪でほおをグッと刺したり(笑)「イタタタタ、それはやめてください。」と私が笑うと、娘も我にかえったようにニッコリしたものでした。

 そんな思い出からヒントを得て作ったのが、しかけ絵本『お?かお!』です。
スライド式のしかけで、顔のパーツを自由に動かして遊ぶことができます。眉毛をあげてキリッ、下げてショボーン。ベロを引っ張ってあっかんべー。まぶたを閉じておやすみなさい。
 絵本売場やイベントなどで、実際に赤ちゃんや子供たちが遊んでいる様子を見るときは本当に嬉しいです。キョロキョロ目玉を捕まえようとして手を伸ばす赤ちゃんもいますし、少し大きい子だと面白い顔を作ってケラケラ笑ったり…。
 ちびっこ読者にご好評いただいて、ありがたいことにシリーズ新作のしかけ絵本が出ました。どれもこだわって作ったので愛着があります。
ジュースやお菓子をどんどん食べちゃう『あー おいしい!』。
工事車両を動かして遊べる『ブルブル ブルドーザー』。
動物たちがダンスを披露する『どうぶつダンス』の3冊です。

 しかけ絵本を作っていて感じるのは、しかけがシンプルであればあるほど、みんなが共感できるものになるということです。絵本の題材となる身の回りのいろいろなもの、例えばクレーン車やジュース、ミキサー車の面白さを追究していくと、グイーンと伸びる快感や、ストローでチューっと吸い取る気持ち良さ、クルクル回転する面白さなど、いつもシンプルな要素に辿り着きます。私たち大人が心地よいと感じるものも、突き詰めると赤ちゃんと同じ、原始的でシンプルな要素の組み合わせからきているのかもしれません。
 よく「うちの息子はもう小学生なのに喜んで遊んでます(笑)」というような声をいただきますがとても嬉しいです。おばちゃんの私がウキウキしながら作ったものなんですから、小学生だってウキウキして大丈夫ですよ!ぜひ赤ちゃんと一緒に、ご家族みんなで楽しんで欲しいです。
(ひらぎ みつえ)

 

〜〜ここからは、ミニインタヴューです!〜〜〜


(1)仕掛け絵本は、世界共通で楽しめる仕様だと思います。一方で、今回の本が海外で翻訳されるときには、(その国の文化・生活等に合わせて)ここは手を入れた方がより楽しんでもらえるかな? と思うような部分はありますか。

―ー海外で翻訳されるという話は今のところないのですが、ありがたくもそのようなお話があった時には、その国の文化に合わせて一番楽しめる文章や絵になるように検討したいと思います。
ただ、感覚的な部分、たとえばキョロキョロ動く目を思わず見てしまう感覚や、土がごっそりすくい取られた時の気持ち良い感覚は、もしかしたら世界共通なのかなと思っているので、そういうところは大事にしたいです。

(2)ひらぎさんの作品は、感じて、楽しめるものとなっています。今後ですが、言葉(文章)を主体とした何か(思いや意志、願い…)、を伝えたいための絵本(読み物)を作っていくことも考えられていますか? 例えば、どんなテーマでしょう。

―ーもともとストーリーの絵本を作りたくておはなしを書きためているのですが、お話を作るにあたって、読者に「こういうことを学んでほしい」とか「こういうメッセージを受け取ってほしい」ということはあまり考えていません。私自身がいい歳して未熟者で、常にもがいている状態なので…(笑)
子供たちはすでに素晴らしいです。強いて言うなら、絵本を通して「そのままの君が本当に素敵だよ!!」ということを感じてくれたらいいなと思います。

(3)ホームページを拝見すると、大変に興味深いプロフィールが書かれています。特に「パピルス紙作り」や「庭で発掘作業」とは? 思い出と一緒に教えて頂けますか。

―ー実家は古い家だったので、庭には使われなくなった古いガラクタが転がっていたりして、一人で妄想遊びをするにはぴったりの環境でした。

「パピルス紙作り」は、たぶんテレビか何かで作っているところを見て、「こんな風にして紙が作れちゃうなんてすごい!」と感動したんだと思います。
そこで、庭の雑草を岩の上に敷き詰めて、石でガンガン叩いて紙を作っている気持ちになって遊びました。(もちろん紙はできませんでしたが。)

「庭で発掘作業」は、宝探しの気分で庭を掘っていた遊びです。石や瓦のかけらが出てくると、「大昔の人が使っていたものかも!」と興奮していました。ある日、白い小さな壺みたいなものが出てきて、「これぞ大発見!」と大喜びしたのを覚えています。
あとから知ったのですが、それはノップ碍子(がいし)という、昔の古い家屋で電気の配線に使われていた陶器の部品だったようです。牛乳瓶を小さくしたような形をしていて、いかにも出土品ぽい様子をしています。うちは古かったので、そういうものが庭に転がっていたんですね。

他にも、庭に足踏みペダル式の脱水機らしきものが置いてあったのですが、大きくてアルミアルミしていて、ペダルや排水口やねじが、いかにも工場の機械みたいに見えたので、ジャム工場の工場長になった気持ちで遊びました。ドラムの中にへびいちごを投げ込んで、ペダルを踏むと排水口からトロトロのジャムが出てくる、という妄想をしていました。

 

【ひらぎ みつえ プロフィール】
1977年金沢生まれ。東京大学文学部卒業後、広告制作会社勤務を経て絵本作家に。絵本に『せんたくばさみのサミー』(鈴木出版)、あかちゃんがよろこぶしかけえほんシリーズ『お?かお!』『あー おいしい!』『ブルブル ブルドーザー』『でんしゃ ガタゴト』(ほるぷ出版)など。

 


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ひらぎみつえさん!素敵な絵本のステキな紹介!ありがとうございます!!!

 

 

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