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『地平線のかなたまで』

ちょこりん さん(公共図書館司書)からの

7月7日、児童文学ぞろ目の日!

『地平線のかなたまで』

ヘルヤ・リウッコ=スンドストロム 文・陶板

稲垣美晴 訳 (猫の言葉社)

 

 

フィンランドを代表するセラミック・ア−ティストのヘルヤ・リウッコ=スンドストロウムの陶板絵本を紹介します。

教育熱心な母うさぎのもとに生まれた子うさぎ君。
将来危険から逃れて強く生きていけるようにと、兄弟うさぎとともに有名校ぴょんぴょん学院に入学させられます。
が、兄弟の中でこのうさぎ君だけ優等生にはなれません。

「美しくとぶこと。敵から逃げられるように、速くとぶこと。この二つが大事だ」
ぴょんぴょん学院の先生から厳しい指導を受けますが、子うさぎ君は何度練習しても、後ろ足が思うように上がらないのです。

「どうして君は本気でやろうとしないんだ」と、先生から怒られます。

母うさぎは、そんなうさぎ君をプララ博士の所へ連れていきました。
診察後、うさぎ君の後ろ足には力がないと告げられます。
母うさぎは、ハンカチを手にすすり泣きました。
「とべないうさぎなんて、どうやって生きていったらいいのかしら・・・・・」

うさぎがとべないということは、生きていけないということです。

でもここから、素敵な展開が!

うさぎ君は、後ろ足に力はありませんでしたが、前足にはとてつもない力がみなぎっていたのです。
前足の力で木登りができることがわかったうさぎ君は、安全な「安らぎの木」上で暮らすようになりました。

そして、
「一度でいいから地平線を見てみたい」という高い所に登れない亀に出会い、
森に帰りたいのだけれど車が通る道路をこえる自信がない年寄りうさぎに出会い、
犬がそばにいるのに気がつかずにすやすや眠っているぴょんぴょん学院の優等生うさぎに出会います。

その度に、うさぎ君は自分が持っている前足の力を使い、相手のために一生懸命に知恵をしぼります。

そしてこの絵本の最後は、うさぎ君自身が、ずっと遠くまで、地平線のかなた目ざしてとんでいく情景で終わります。

とべないうさぎ君は、地平線をめざしてどうやってとんでいったのでしょうか?
ひとりぼっちではなかったというヒントをさしあげますから、実際にこの作品を読んでみてくださいね。

立体感を感じる陶板絵本の迫力とあたたかみも感じてみてください。

この絵本は、国際障害者年にあたる1981年に「私たちみんなが必要とされています」というテ−マで作られました。

(ちょこりん)

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