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『モミの木』

ちょこりんさん(公共図書館司書)からの
11月11日、児童文学ぞろ目の日!

『モミの木』
アンデルセン原作 バーナデット絵 
ささきたづこ訳 (西村書店) 

―――――――

「ああ、ぜんぶおわったことなんだ。もっとたのしめるときにたのしんでおけばよかったなあ。」

過去を振り返って後悔しているのは誰でしょう?

それは、クリスマスツリ−になっていたモミの木です。

陽の光が降り注ぎ、風がよく通る森で育ったモミの木。
常に自分より高い木を羨ましがり、今ここ以外の世界に憧れ続けていたモミの木は、今の自分と自分の置かれた場所に満足していたことはありません。

ある冬、モミの木はこれ以上ない喜びに震えます。
大きなきれいな部屋の真ん中でで、美しくきらびやかに飾られてクリスマスツリーとなったからです。

ついにモミの木は、望んでいた場所で、望んでいた自分になることができました。
永遠にこの幸せの中で生き続けられるのだと信じていました。

そしてクリスマスが終わり、時間が経ちました。

外に放置されたモミの木は葉が変色し、子どもたちに踏みつけられ、やがて小さく切られて薪にされました。

薪となったモミの木は、かまどの中へ・・・

モミの木は燃えつきました。

自分が一番幸せだったクリスマスの夜につけていた金色の星だけ残して。

(ちょこりん)

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