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『おちばきょうそう』

ひなたあおい さん(元幼稚園教諭)からの
11月11日、児童文学ぞろ目の日!

『おちばきょうそう』
作・絵 白土あつこ (ひさかたチャイルド)

 

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 保育者として、こういう絵本は本当に重宝する。季節感があって、翌日の遊びにも繋がる有難い存在だ。以前から、絵本には良し悪し以前に役割があると思っている。例えば家で親の膝の上で読んでもらう絵本と、保育園や幼稚園の集団生活の場で皆で読む絵本は同じ作品が“良いもの”になるとは限らない。家では同じ本を繰り返し何度も何度も味わえる良さがあるだろうし、園ではその時のクラスの時流を捉え「ハマった!!」と思える絵本を読める面白さがある。一口に絵本といっても様々な場面で、色々な役割を担っているのだ。

 この作品はどちらかと言うと後者に分類したい。(もちろん親子で読んだって、一人で読んだっていいのだが。)落ち葉がたくさん落ちていて、落ち葉と触れ合える広いスペースと、共有できる友だちがいれば確実に実感を伴うことができるファンタジーになっている。絵本が先か、体験が先かはどちらでも良いが、絵本がいいきっかけとなって体験がより面白くなることは織り込み済みだ。ここまで計算して絵本を読み聞かせできるということも、保育や集団生活に接している保育者の仕事の面白さだと思う。

 暖冬の今年は落ち葉もまだ少なく感じるのだが、どうだろうか。秋の晴れた日に、赤黄色茶色の落ち葉を集めてその上に飛び込むと、思ったより柔らかく、温かいことに気が付くはずだ。「あ〜だから冬眠は落ち葉の下で眠るのね」と小さな生き物の気持ちになって、妙に納得したことがある。体験は、遊びになり、やがて学びになっていく。
(ひなた あおい)

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