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『かぞえてみよう』 

森ふき さん(子どもと本の間)からの、
11月22日、児童文学ぞろ目の日!

『かぞえてみよう』 
安野光雅 作/絵 (講談社)

 

 頁を開くと、雪の降り積もった丘。真っ白な世界。雪がやんだばかりでしょうか。しんとしています。絵は息をのむほど美しく、その横には大きく書かれた0の数字。さあ、物語の始まりです。
 おひさまがのぼってきました。丘の上には雪をかぶった大きな針葉樹が1本あります。若者が1人、シュプールを描いてくだっていきました。大きな雪だるまと子どもが1人並んで立っています。1匹のオオカミが誰も踏んでいない雪の上に足跡をつけて歩いています。ふもとには家が1軒建ちました。そして、絵の横には1の数字。頁を繰るごとに数が1つずつ増え、最後の数字は12です。季節の移り変わりとともに丘の周りが賑やかになっていき、ついには1つのまちが現れます。言葉はありませんが、物語があり、時間が流れ、その中に数が存在しています。数は人の営みの中から生まれたのですね。
この本を読んだ子が、一面真っ白に積もった雪景色を見て、「あ、ゼロだ!」と思うかもしれないと想像するとわくわくしてきます。センス・オブ・ワンダー!数学は美しいと言われますが、その一端に触れることができる1冊です。
冬が好きな私ですが、今年はいつも以上に雪が積もる日を心待ちにしています。
(森ふき・子どもと本の間)

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